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なぜいまQueenが人気なのか?

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 稀代のロックバンドQueen(クイーン)のヴォーカル フレディ・マーキュリーの半生を描いた「ボヘミアン・ラプソディ」の快進撃が止まらない。

 国内興行収入は43億円を突破、全米では197億円にはじまり世界を見渡すと677億円の大ヒットを飛ばしている。70年代のロックバンドの自伝映画になぜそんな人気が集まっているのか?不思議に思った人も少なくないはずだ。それも多くの若者はリアルタイムのQueenを知らないはずにもかかわらず異例の大ヒット!いま何が起こっているのだろうか考えてみた。

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 Queenのデビューはいまから45年前の1973年イギリス。奇しくもわたしが生まれた年とおなじだ。フレディ・マーキュリーが1991年に亡くなるまでの18年間を疾風のごとく走り抜けたことになる。ちなみにバンドQueenは解散を宣言しているわけではないので今なお現在進行系のバンドである。

 ファンの中心は当時10〜20代の若者の60歳前後の世代。わたしもフレディが亡くなった当時1992年は19歳の青年だった。自分の記憶のなかではQueenのフレディといっても後期のピークの過ぎたロックグループなんてピンとこない。フレディといえば「エルム街の悪夢」のフレディ・クルーガーしか思い浮かばないそんなにわかであった。

 今でも語り継がれるLive AIDの映像をみてもオールバックにヒゲを蓄えたタンクトップのオッサンがクネクネ動き回っていて、ビジュアル系バンド全盛であった当時の自分にとってはダサさの集合体そのものであった。

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 そんな欧米人にしか理解できないバター臭さの象徴に思えたフレディ・マーキュリー。思えばQueenの曲は聞かないことは一時もない無いぐらいよく耳にする。「Rock You」や「We Are The Champions」など名曲中の名曲だし大リーグやNBAの試合中継などでもよく聴くことができる。見た目全くスポーツと縁がないロックバンドだが聴くものの気持ちを鼓舞するQueenの音楽はスポーツと相性がいい。勝負に勝つと自然と「ガッツポーズ」と「We Are The Champions」が頭に鳴るようにDNAに記録されているかのように。

 そしてフレディ・マーキュリーといえばAIDSで亡くなった最も有名な人物でもある。当時全米でもAIDSが不治の病として流行していた。 ロスアンジェルス レイカーズのマジック・ジョンソンらと並んで不憫に思った。いまとなってはAIDSは完治こそしないもののHIV感染しても発症しなければ生きられる時代になっているようだ。現にマジック・ジョンソンも生きている。

 フレディ・マーキュリーのAIDSの引き金となったは彼が同性愛者であったためだ。現代のようにLGBTが世間一般的に認めてもらえる時代ではなく「保毛尾田保毛男」がお茶の間で笑い者にされイジられる対象であったように世間がそれを許さなかった。観る者としても漠然とした嫌悪感を抱いていたように思う。いまにして思えばだが相手を自分のフィルターでしか見れなかった自分は若かったからなのか、自分の見聞が狭すぎたせいなのか普通と違う生き方を認めることができる視野が自分には備わっていなかったんだなとフレディを見ると考えさせられる。

 学校帰りに暴走族が目の前で転倒して死亡するという事故に遭遇したことがある。頭を強く打って即死だった。遺体を囲むように野次馬が集まり自分も加わって救急車が来るのを待っているあいだ周りの反応を観察していた。暴走族は蛇行運転をしながらすり抜けに失敗して転倒した。運転者は無事だったため同乗者を必死に蘇生しようとしていたが無理だった。わたしは危険な走りをして自ら事故を招いた結果に同情の余地も無かったし、悪行は裁かれるといった清々した気分もあった。しかしそのことを親に話すとこっぴどく叱られた。いかなる人間であれ理由であれ人が亡くなることはそれを悲しく思う人がいること、それを嘲笑することは許されない。自分というフィルターでしか世界が見えていなかった。

 いま45歳になってフレディが亡くなった同じ歳になった。たった45年しか生きられなかったフレディの人生はあっという間に過ぎたことだろう。そしてスターでありながらコンプレックスとマイノリティとして生きるとても困難な生き方を選んで生きていた。いまなら時代がもっと彼を受け入れたか?いまの自分ならもっと彼を理解できたか?いまなら病気だって……

 興行成績が物語っているように人はフレディの弱さも強さも美しさに共感して感動している。ようやく時代がQueenに追いついたのかもしれない。

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